教育ローンとカードローンと生命保険契約者貸付金の話

誰かの役に立つかもしれないのと、もっとよいやり方の知見が得られるかもしれないので、自分が利用している借金について、その中でも特に借入に関することを書いてみる。返済についてはこの記事の範囲外。また、住宅ローンと自動車ローンも範囲外。

正直、自分は金融リテラシーあまりないし、浪費癖があるので、参考にならないかもしれません。

教育ローン

長男次男長女の大学と専門学校、自分の大学院の学費を賄うため、住信SBIネット銀行の教育ローンを利用している。

他社の商品を色々比較検討して選んだわけではなく、既に住信SBIネット銀行の口座を持ってるから手続きとか楽そう、というだけの理由で選んだ。

借入時の流れ

全体的な流れは借入までの流れ | 教育ローン | NEOBANK 住信SBIネット銀行の通り。「通常2週間程度の日数がかかります」と書かれているが、実際にはもっと早かったので、手続きの各フェーズで、実際にどれぐらい日数がかかったのか、といった情報もあわせて流れを整理してみる。

  1. 仮審査申し込み〜仮審査承認
    • 「教育ローン」の申し込みページがあるわけではなく、「目的ローン」の申し込みページで資金使途に「教育関連資金」を指定して申し込む形になる。ここで借入金額、支払い先、自身の連絡先、収入などの情報を入力する。
    • 申し込んだ当日か翌日には仮審査が承認され、お知らせメールが届く。
  2. 正式審査用書類の提出〜正式審査承認
    • 仮審査承認のお知らせメールが届くのと同じタイミングで、正式審査用書類提出用URLがメールで届くので、指示に従って提出する。
    • 書類提出後、当日か翌日には正式審査開始のお知らせメールが届く。
    • お知らせメールが届いた翌日か翌々日あたりに、勤務先に在籍確認の電話がかかってくる。
    • 在籍確認後、当日か翌日には正式審査承認のお知らせメールが届く。
  3. 契約と借入
    • 正式審査承認メールが届いたら、ウェブサイト上で契約手続きを行い、借入希望日を指定する。
    • 契約手続きは借入希望日の3営業日前までに行う必要がある。

こんな感じで、わりとさくさくと手続きが進んでいく。自分の場合だと、最短で仮審査申し込みした2日後には正式審査が承認された。

在籍確認について

在籍確認は勤務先への電話によって行われるのだが、リモートワークの場合はどうなるのか不明。自分はリモートワークではあるが法人化したフリーランスなので、自オフィス(という名の自宅)で電話を受けた。

〔目的ローン〕 目的ローンの申込みをした場合、勤... | よくあるご質問TOP | NEOBANK 住信SBIネット銀行 のページに「在籍確認のご相談はこちら」という問い合わせフォームへのリンクがあるので、リモートワークの場合にどうすれば良いのかは、ここで相談するのが良さそう。

自分の場合、自オフィス=自宅といっても、不在にしていたり、ミーティング中で電話に出られないこともあったりするので、問い合わせフォームから在籍確認の希望日時を連絡した。

都合6回申し込んでいるが、一度だけ在籍確認なしで正式承認されたこともある。

借入のパターンと必要書類

必要書類 | 教育ローン | NEOBANK 住信SBIネット銀行に、借入のパターンと必要書類の説明がある。

借入のパターンには次の2つがある。

  1. 住信SBIネット銀行が学校等の口座へ直接振り込むパターン
  2. 住信SBIネット銀行が支払済資金を契約者の口座へ振り込むパターン

パターン3として他社教育ローンからの借換もあるが、ここでは除外する。パターン1とパターン2で必要な書類は次の通り。

  • パターン1で必要な書類
    • 学校等への振込金額、振込先(金融機関名・支店名・口座種別・番号・カナ名義)が確認できる書面。
    • 我が家の場合は学校から届く振込用紙がこれに該当するが、このパターンは利用していない。
  • パターン2で必要な書類
    • 学校等への支払金額、支払日、支払先が確認できる書面。
    • 我が家の場合、住信SBIネット銀行の口座を支払いに利用しているので、振り込みの場合は振込受付書をPDFとして保存したもの、口座引き落としの場合は入出金明細をPDFとして保存したものを提出している。
  • パターン1, 2共通で必要な書類
    • 子女またはご本人が在学もしくは入学することが確認できる書面。
    • 収入確認書類(仮審査承認額が100万円を超える場合)。

我が家の場合、大学院や専門学校の授業料が口座引き落としであり、銀行から学校の口座へ直接振り込みが行われるパターン1が使えないため、パターン2で借入を行っている。この場合、支払後3ヶ月以内に申し込む必要がある。

住信SBIネット銀行の教育ローンで困ったこと

教育ローンは金利が低いし、返済期間が長い(最長10年 + 元金据置期間5年 = 15年)ので、入学から卒業までの教育資金をこれですべて賄えるのが望ましい。しかし、次のような理由により、それは不可能だった。

まず、〔目的ローン〕 目的ローンを複数申込むことはでき... | よくあるご質問TOP | NEOBANK 住信SBIネット銀行にあるように、同時に5件までしか申し込むことができない、という制約がある。

また、大学の場合、授業料の支払いは半期毎に発生し、その都度ローンの申し込みをする必要がある。なぜなら、申し込みに必要な書類(振込用紙や支払い明細)は、入学から卒業までの分がまとめて手に入るわけではなく、半期毎の支払いのタイミングでしか手に入らないので。

したがって、入学金、1年前期の授業料、1年後期の授業料、2年前期の授業料、2年後期の授業料、で5件分のローン枠をすべて使い切ってしまう。つまり、1人分ですら入学から卒業までの教育資金すべてを住信SBIネット銀行の教育ローンで賄うことは不可能、ということになる。しかも我が家の場合、4人分の教育資金が必要なので、すべて賄うのは到底不可能である。

他社の教育ローン

というわけで、住信SBIネット銀行の教育ローンで必要な教育資金をすべて賄うことができないため、他社の教育ローンを併用することを検討してみた。といっても、必要なのは来年度の授業料なので、まだ本格的には調べておらず、家の近所にあるJAとスルガ銀行の以下の商品をさらっと見てみただけ。

どちらも申し込みはインターネットでできるのだけど、JAの場合は一般型とカード型、スルガ銀行の場合は都度借入型と一括借入型があり、どちらが我が家に適してるのか調べたり窓口で相談したりする必要がありそうだったり、申し込みフォームを見るとやたら入力項目が多かったり、1人分の教育資金を想定したフォームになっていて、複数人の場合はどうすればいいの、と思ったりで、窓口に行って相談した方が早そうな感じ。

必要になるのはもう少し先だし、とりあえずあとでじっくり検討しよう、と思っていたところ、こんなXポストを見かけた。

カードローンは金利が高いと思っていたので検討から除外していたが、「1~2%の金利」というのが本当であれば、教育ローンよりも金利が低いので、これは検討に値するな、と思って調べてみた。というわけで次はカードローンの話です。


カードローン

上記のXポストの続きで

とのことなので、住信SBIネット銀行とPayPay銀行のカードローン金利が実際どうなのか調べてみた。

住信SBIネット銀行カードローンの金利

住信SBIネット銀行カードローンの金利は、金利とコース | カードローン | NEOBANK 住信SBIネット銀行によると次のようになっている。

ご利用限度額 基準金利(年率)
910万円~1,000万円 2.49%
710万円~900万円 2.99%
610万円~700万円 4.49%
510万円~600万円 5.49%
410万円~500万円 6.49%
310万円~400万円 7.49%
210万円~300万円 8.99%
110万円~200万円 11.99%
10万円~100万円 14.79%

限度額によって金利は変わるが、最高額の1000万円の場合は2.49%。SBI証券口座保有登録済の場合は0.5%下がって1.99%になるので、確かに1%台の金利になる。

PayPay銀行カードローンの金利

PayPay銀行カードローンの金利は、ローン金利 - PayPay銀行によると次のようになっている。

ご利用限度額 金利
100万円未満 18.0
100万円以上150万円未満 15.0
150万円以上200万円未満 12.0
200万円以上250万円未満 10.0
250万円以上300万円未満 8.0
300万円以上400万円未満 6.5
400万円以上500万円未満 6.0
500万円以上600万円未満 5.5
600万円以上700万円未満 5.0
700万円以上800万円未満 4.0
800万円以上900万円未満 3.5
900万円以上1,000万円未満 3.0
1,000万円 1.59

こちらも限度額によって金利は変わるが、最高額の1000万円の場合、金利は1%台になっている。

本当に金利1〜2%で借りられるのか

住信SBIネット銀行 ”かんたん診断”で、年齢や収入等を入力すると、適用される限度額と金利を診断することができる。

試しに、自分の年収とは異なるが、1000万円に設定して診断してみたところ、限度額が410万円〜500万円、金利が6.49%になった。

なので「金利1〜2%」というのは嘘ではないが、かなり高収入じゃないとこの金利で借りることはできなさそう。

実際に申し込んでみた

上記の診断はあくまでも簡易的なものなので、実際に申し込みをしてみた。結果としては、教育ローンよりも1%ほど低い金利が適用される限度額で審査が通った。限度額も、長男次男長女が卒業するまでの学費をカバーするには十分な額なので、当面は安心である。

また、教育ローンの場合、支払いが発生するたびに、申し込みをして必要書類を揃えて送り、在籍確認に都合の良い日時を連絡し、在籍確認が終わるまではなるべく外出しないようにして、と少し面倒だったが、カードローンの場合は一度契約してしまえば、限度額の枠内で必要な時にすぐに借りることができる。その上教育ローンよりも金利が低い。

ちなみに、カードローンも教育ローン同様電話による在籍確認があるのだが、既に教育ローンで実績があるためか、電話がかかってくることなく、申し込みした2日後には正式審査承認された。

カードローンによる教育ローンの金利優遇

住信SBIネット銀行の場合、カードローン契約済であれば、教育ローンで金利-0.5%が適用されるので、自分の場合、証券口座保有登録済の-0.5%とあわせて、-1%になる。しかし、これは教育ローン申込時にカードローン契約済である必要があるため、すでに借りている教育ローンには適用されない。

なので、これから住信SBIネット銀行の教育ローンを利用する方は、まずはカードローンの契約を済ませておくのが良さそう。契約しても借りなければ利息は発生しないので。


生命保険の契約者貸付金

教育ローン、カードローンとは別に、生命保険の契約者貸付金も利用している。これは、保険の解約返還金のうち一定の割合を借りることができる、という制度。我が家の場合、第一生命の学資保険に加入しているので、ご契約者貸付|資金のお借入れ・お引出し/ご入金・ご返済|第一生命保険株式会社を利用している。

利率は加入時期によって異なるが、我が家の場合は年3.00%なので、教育ローンと同程度の利率になる。→ 「当社所定の利率」とはどのくらいなのでしょうか? | よくあるご質問|第一生命保険株式会社

海外研修で支払い先が学校ではなく旅行代理店の場合、教育目的であっても教育ローンが使えないので、こちらの制度を利用して必要な資金を借りた。また、歯科矯正代や入院費用もこちらから借りている。

一日に申し込める限度額が50万円ではあるが、インターネットで手続きできて、審査もなく即日に振り込まれるし、金利も教育ローンと同程度と低いので、活用しやすい。

また、解約返還金(自分の場合は学資保険なので祝い金や満期保険金)を返済にあてることができるので、返済苦に陥ることもなさそうなのが良い。

ただし、限度額が解約返還金の8割なので、教育ローンやカードローンに比べ、それほど多く借りることはできない。


まとめ

  • 我が家では教育資金を賄うために、住信SBIネット銀行の教育ローンを利用している。
  • 住信SBIネット銀行の教育ローンには同時契約件数5件までという制約があり、必要な教育資金すべてをカバーできないので、カードローンを併用することにした。
  • カードローン、条件付きであるが、教育ローンよりも低い金利で借りられる場合がある。
  • 教育以外の資金は生命保険の契約者貸付金を利用している。
  • 契約者貸付金、手軽に借りられるし、金利も教育ローンと同程度と低めだし、最悪解約返還金を返済にあてれば良いので、割と良い選択肢なのでは、と思っている。
  • ただし限度額は教育ローンやカードローンより低め。

想定問答集

Q1 独立行政法人日本学生支援機構奨学金は使わないの?

A1 審査が通らなかった

日本学生支援機構奨学金が使えるのならそれがベストなので、使える人は使いましょう。

Q2 教育資金の貯蓄はしてなかったの?

A2 してない

倹約が苦手。会社員時代の収入では、子供が5人いると貯蓄に回す余裕がなかった。あと、自分が大学院に行くのも想定外だった。

その代わり、学資保険に加入していて、小中高の卒業のタイミングの祝い金と満期金という形で、節目節目である程度まとまったお金が入る。また、フリーランスになったら少し余裕ができたが、その分はインデックス投資に回している。

Q3 学資保険の祝い金や満期金では足りない?

A3 足りない

予備校も含め、3年間は祝い金+満期金+直近の収入から学費を工面することができたが、4年目からは足りなくなったので、教育ローンを利用することにした。

Q4 インデックス投資を取り崩して学費に回さないの?

A4 回さない

インデックス投資の平均利回りが(諸説あるけど)4~7%だとすると、ローン金利がこれより低い場合は、投資分を取り崩すよりもローンで借りた方が得、と判断した。

ローンの返済に困るようなことになれば取り崩すことになると思う。